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  • 執筆者の写真mona

【漫画家アシスタントのお仕事】背景・モブ・仕上げから食事まで!~気になる漫画家アシスタントのお仕事~



漫画家アシスタントって、何やるの?

カンヅメして作業… 徹夜は当たり前ってホント??



内情が見えにくい漫画の現場、アシスタント歴8年のイラストレーターmonaがお話します…!


***漫画家アシスタントになりたい人はこちらもどうぞ***************

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Contents


1.アシスタントのお仕事の種類

1-1 背景・モブなどの作画作業

1-2 トーン張りなどの仕上げ作業 

1-3 その他の作業 2.現場の環境 2-1 徹夜とカンヅメ 2-2 在宅作業


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アシスタントのお仕事の種類

1-1背景・モブなどの作画作業


漫画家のアシスタントでも、割合が大きい仕事内容である「背景・モブの作画」。

実際の作業としても、これが一番大変です。笑


東京のビル街、路地裏、車、電車、学校、神社や民家など…

連載作品の舞台や時代背景によって本当に様々なものを描きます。


私の中で、一番印象に残っている作業は、「ワイングラスとワインに透ける遠景のビル街」を表現したことでした…。すべてアナログ作業の現場だったので、丸ペンとベタとトーンでどうにかがんばった記憶があります。

昭和初期の日本家屋。漫画の背景イラストに使用。
【実際の建物背景】昭和初期の日本家屋(※ワンカットの一部)


漫画に使われたモブの一部
【様々なモブ】大抵後ろ向きや、顔を描かないモブが多いです。

制作時間は、建物背景で5時間くらい、モブはワンカット2時間以内(どちらもペン入れまで)くらいでしょうか。日本家屋の背景は、右側に桜と建物を続けて描いてあるのですが結構細かかったので手が痛くなりました(*_*;


アシスタントのお仕事の種類

1-2 トーン張りなどの仕上げ作業


トーン張りに関しては、今はずいぶんとアナログ作業は減ってきているようです。

clip studioの使い勝手が良く、またトーンの廃版に悩まされることもないので、トーン処理だけデジタルに移行する作家さんも多いです。

ただ、アナログにこだわる作家さんやベテランの作家さんは今でも手張りでトーン処理を施している現場もあると思います。



漫画サンプルイラスト。トーン処理サンプル。
【トーン処理】clip studioを使用してのデジタルトーン処理。削りも超楽(*‘ω‘ *)

今から漫画家へのステップアップとして、アシスタントをしてみたい!という方は、デジタルのトーン張りから覚えて、隙間時間にアナログトーンの練習もしておくと良いのではないでしょうか。


また、仕上げ作業としては、効果線・フラッシュ・ベタ・(セリフ入れ)なんかも。

これらも、連載作品によってテイストが全く違います。少年系でも、効果線が割と細めなところもあるし、少女漫画はそもそも効果線少なめ、とか…。


個人的に、アナログでのフラッシュ系処理は苦手でした。得意な人もいると思いますが、アナログでやると地味に時間がかかるし、修正が難しいので毎回ドキドキで描いておりました。


1.アシスタントのお仕事の種類

1-3 その他の作業


その他の作業としてあるのが、ご飯作り…!


私のお手伝いした作家さん方は、アシスタントさんのご飯は外食やコンビニ・スーパー弁当にしている方が多かったです。あとは、作家さんが作ってくれるパターン。これは、個人的な感想ですが女性作家さんに多かったです。みんな、それぞれ美味しいご飯を食べさせてくれました(*^-^*)


現場によっては、ご飯作りはアシスタントのお仕事である場合もあります。

料理が得意なアシさんが作る場合もあるし、みんなでローテーションの場合も。いずれも限られた時間でササっと作ることが前提になるでしょうから丼ものとか、カレーとかが多いのかなという印象です。アシスタントなら、料理も多少できて損はなさそうですね。


あとは、時期限定ですが大掃除とかも。


基本的に、作家さんは自宅にアシスタントさんを呼んでお仕事してるのでアシスタントさんも使うところは、みんなで年末に大掃除したりもします。

もしかしたら、少数派かもしれませんが…( ^ω^)


2.現場の環境

2-1 徹夜とカンヅメ


漫画家さんとアシスタントってカンヅメして作業するんでしょ?


徹夜当たり前なんでしょ??


と、よく言われるのですが、私が8年アシスタントをやって徹夜になったのは、たった一度だけでした。

週刊少年誌での連載で、しかもベテラン作家さんが抜け、新人を2人くらい抱えてた現場だったと記憶しています(そのうちの新人1人はワタクシです…はい…;;)

週刊誌の連載だと、アシスタントさんの人数は5~6人程度。当時の現場は4人中2人が新人という状況でした。


ちょっと諸々トラブルの多い現場だったので、私は3か月くらいでそこを辞め、別の作家さんのところに入らせてもらったので、それ以上徹夜をすることはありませんでした。


残業はたまにありましたが、基本的に作家さんはアシスタントさんが働きやすいようにと気を配ってくれる方が大半です。なので、自分が技術とコミュニケーションの術さえ身に着ければ、より良い現場に入れますし掛け持ちすることも可能です。アシスタントさんは色んな意味で職場がコロコロ変わることが多いですが、それが普通の業界なのです。


最近は社会的にも働きすぎ問題が取りざたされてますし、自分の健康やパフォーマンス管理の上でも、徹夜ばかりが続く現場は何かしら問題がある証拠なので、離れた方が身のためかもしれません。。。


ちなみに、カンヅメ作業は基本です笑


デスクワークなので、そこでみんなで作業するわけですが、絵を描くのが好きならカンヅメ作業でもあまり気にならないかな~と思います。みんなの近況や、他の職場の話、ゲーム・アニメ・映画・音楽などエンタメ関係の話をあれこれしゃべりつつお仕事します。

中には、作業中ほぼ話さないところや各々好きなBGMをイヤホンで聴きながら…というところもあります。


2.現場の環境

2-2 在宅作業


ここ数年の傾向で、デジタル導入に伴い在宅アシさんに切り替えるところも多いです。


作家さんのご自宅まで出勤してのお仕事していたのが、デジタルの作業に切り替えると同時にアシさんにも在宅でデジタル作業してもらうといった感じです。


私も、夫が鬱で休職に入ったのをきっかけに在宅作業にしていただきました。

在宅での作業は、正直なところ向き不向きあると思います。そもそも家で集中できないとか、一日中すっぴんでなんか廃れていく感じがする、などの嘆きを結構聞きます(;^ω^)私の友人では、おしゃべりしながらの作業が苦手だから在宅で…という子もいました。


作業的にはフルデジタルの現場は少なく、私の周りでは、


●背景はデジタルでもアナログでもOK(アナログ背景の場合→スキャンして送る)

●仕上げはデジタル


という在宅作業方法が多かったです。

また作業時間については、


●決められた時間で働く

●もしくは、一日のノルマ分をこなし作業時間は自由


という感じでした。


まとめ


以上、漫画家アシスタントのお仕事紹介でした。


背景・仕上げ作業・食事、徹夜事情など、2019年に私がイラストレーター転向する直前までの私の周りの環境を参考にしました。


●技術とある程度のコミュニケーション能力があれば、様々な現場でお仕事するチャンスがある!

●デジタル作業もアナログ技術も両方あった方がいい!

●ちょっとの料理も覚えておこう!

●意外と徹夜は少ない!

●在宅作業もできる!


といったところでしょうか。アシスタントに興味がありましたら、これらのポイントを押さえることをおススメします!


そうでない方にも、漫画の職場ってこんな感じなんだーと思っていいただければ幸いです(*^-^*)




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